JR新長田駅を降り、鉄人28号を横に見ながら南に10分ほど。アーケードが途切れた商店街のはずれに「はっぴーの家ろっけん」はある。
緑と白で塗られた6階建てのその施設は、外に看板らしきものはなく、一見するだけではなんの施設かわからない。聞くと、サービス付き高齢者住宅という機能を持つ施設らしい。しかし一度中に入ってみると、地域の子どもたちが走り回っていたり、そのお母さんと入居している高齢者の方が談話していたり、行政職員が仕事の打ち合わせをしていたり、若者がパソコンで仕事をしていたり、とても賑やかな場であることに気づく。
同時に、きっと一朝一夕でこんな場をつくることはできないだろう、と思わされる。首藤さんと出会った頃のことはもう忘れてしまった。だけど、茶髪でいつも色味の強い服を着ているマイルドヤンキーのような彼が、この空間をつくっている張本人であるらしかった。